【中学受験】私、入る中学校が決まったよ! その1

こんにちは。小学生担当・家庭教師の青野智美 です。

 

ある日指導に伺ったら、いきなり、「先生、私、行く中学校が決まったよ!」。「えっ??」 受験を終了して、どこに行くか検討中のご家庭?? いいえ、違います。なんと、小学校3年生のお嬢さん。塾に通わず、ご自宅で受験準備をするお手伝いをしていました。

そういえば、少し前に、「どのような学校があって、お子さんに合っていそうか?など、ご両親が少しずつ調べたり見学しておくといいですよ。」とお母様に伝えたのを思い出しました。しかし、いきなり決まったとは? 「どこなの?」と聞いたところ、首都圏難関の中高一貫校の名前がふたつ上がりました。「そう、いい学校だけど、試験がむずかしいから、勉強がんばろうね。」とは言いましたが、ご両親が、小3生にどのように話をしたのか?が気になったものです

ご両親もお子さまも学校見学すらしていないようで、学校のネームバリューと偏差値、卒業生の活躍ぶりなどを見て、この学校に入れればいいだろうなと思っただけなのかもしれません。しかし、まだ受験の過酷さも知らない小学校低学年生は単純です。学年上がると、だんだん現実を知り、プレッシャや重荷も感じ、「おかあさんが入れというけど、私には到底手が届かない学校。自分が勉強できないからいけないんだ。私は中学受験したくない。」というようなことになってくるかもしれません。

まだ、受験生のなかでの成績の立ち位置もわからない小学校低学年のころから、具体的な志望校名を出して、ここに入りなさい、ここでないとダメ!偏差値は○○以上でないと!などというような発言は控えてほしいと思いました。

ご両親が良いかなと思う学校をいくつか調べ、小3くらいからお子さんと文化祭を見学にいくなどは良いとは思います。今は小1から中学校見学に行く方もいてびっくりですが、小さなお子さん相手のゲームなど楽しそうなイベントもある学園祭は、お祭りのようで楽しいでしょうから、遊びにいく感覚であればよいかと思います。ただし、「おかあさんはあなたにこの学校に入ってほしい。しっかり勉強しろよ。」は、小1~3生には行ってほしくないです

わがやの場合は、小4の時に現在通っている中高一貫校の文化祭を見学にいきました。こどもは、気に入った展示や催しのところから離れず、一カ所で3時間くらい費やした覚えがあります。その間、私は他展示も見て回り、校風が気に入った学校でしたが、こどもには、「おもしろかった?景品もらってよかったね。楽しそうな学校だね。」とは言いましたが、「この学校にはいれるように、頑張れよ。」とは言いませんでした。試しに受けた全国模試の成績はよかったですが、まだ通塾もしておらず、先は長いなと感じていました。文化祭だけから、本当にこの学校に向いているのかもわからなかったです。

「この学校を第一志望にして頑張ってみようか。」と子供にはじめて言ったのは、小6の4月でした。その時には、塾内テストや模試を通して合格へ五分の力があることはわかり、また、本人も文化祭の楽しさを思い出し、塾友も目指すこの学校に入りたいという想いが強くなっていたようです。

中学受験の志望校は、親主導で選ぶことが多いとは思いますが、ご両親の意中の学校があったとしても、低学年のお子さまに学校名を連呼して、プレッシャーを与えるようなことはしないでほしいと思います